一般家庭用と業務用ワックスの違いについてご説明致します。
フロア用ワックスには、水性と油性、大きく分けると二つの種類があります。しかし、油性ワックスは、オイルステン仕上げした床用で、塗装したフローリング床には使用しません。今回は、天然または合成のロウを乳剤にした水性ワックスと合成樹脂を乳剤にした水性樹脂ワックスについて、一般家庭用と業務用の違いについて比較してみます。
一般家庭用ワックスと業務用ワックスの違いは、簡単に言うとその成分濃度の差となります。濃度差は、そのまま保護膜の厚さとなり、業務用ワックスを1回塗るのと、一般家庭用ワックスを3回塗るのとほぼ同一の保護膜になります。
薬品や洗剤を使用せず比較的使用頻度の低い場所に施工するなら問題はありませんが、フロアーワックスは水、特にアルカリ洗剤、溶剤(シンナー)等に弱く、普通の水でも長時間放置すると白く変色してしまう為、ワックスメンテナンスフリーのフローリング等、薬品や洗剤を使用する場所で、使用頻度の高い場所には適していません。
ワックスは、磨耗で光沢が徐々になくなってきますので、数ヶ月おきに重ね塗りが必要となります。その際、落ちきらない汚れやホコリがワックス層に混入して、フローリングの黒ずみの原因となります。この黒ずみを解消するには、堆積したフロアーワックスを除去する為に剥離が必要になるのですが、これは素人には難しく、出来てもなかなか綺麗には仕上がりません。また、剥離剤は超強力なアルカリ洗剤ですので、フローリングに対して決して良くありません。剥離時にフローリングの隙間から剥離剤が侵入し、フローリングの反りやヒビ割れに繋がる事例が多々ありますので注意が必要です。
フロアーワックスは水分に弱く、水拭きすると剥がれてしまいます。そのため、化学モップや乾拭きによるお掃除が薦められていますが、フロア上に飲み物をこぼしてしまった時などは、乾拭きでは汚れが取れないので、どうしても水拭きしたくなります。また、フロアにはアレルギーの原因とされるダニの糞や死骸が付着しますが、これらを除去する方法としては、水拭きが必須となります。結果的に水拭きの出来ない事が要因でシックハウス症候群の原因ともなっています。