「アウトドアリビング」って何?
クリスマスを自宅で家族と過ごす方も多いかと思います。
今年のクリスマスの気温は、平年並み、又は平年より暖かいという予報が出ていますね。暖かい冬なら、クリスマスの夜にバルコニーでホットワインで乾杯なんて、素敵ですよね!
ところで「アウトドアリビング」という言葉を知っていますか?ほとんどの方は聞きなじみがないかもしれません。
その名の通り、アウトドア(外部空間)にリビング(内部空間)の機能を持たせたり、リビングの一角にアウトドアを取り込んだり、そんな住まい方のことを指します。
また、普通の独立した庭のことではなく、居住空間のフローリングとアウトドア空間のウッドデッキが隣り合わせて一体的に使えたり、スペースを共有していたり、「見立て」のように使う場合も「アウトドアリビング」と言います。
都市部だと、広い庭や大きなバルコニーを持つ住まいは少ないため、一般的な「アウトドアリビング」は上記のようなパターンがほとんどです。
では、具体的にはどんな豊かな住まい方があるのか、実例をみてみましょう。
新築マンションでの導入事例
海辺や公園に隣接するマンションなど、景観の良い立地の高層マンション物件ならではの「アウトドアリビング」を楽しむ間取り。
特徴的なのは、間口が広く、奥行きも3m、4mという大きなバルコニーを備えていることです。
最近の分譲マンションでは、「アウトドアリビング」を前面に押し出しているブランドも数多く展開されています。そのいくつかをご紹介しましょう。
「オープンエアリビングバルコニー」
大手ディベロッパーの大和地所レジデンス(旧:日本綜合地所)が10年以上前から展開している「ヴェレーナシティ」シリーズは、ヨーロッパ風のインテリア&エクステリアが共通のデザインコード。
「オープンエアリビングバルコニー」というコンセプトで、ラグジュアリーな雰囲気でガーデニングやお茶の時間を満喫する広いバルコニーでの生活を提案しています。
これまで一般的には1階住戸だけが享受してきた豊かなバルコニーを高層階でも実現しようという試みです。
建築基準法の「バルコニー・ベランダの容積不算入」に基づき、容積率に抵触せずに10畳ほどの広いバルコニーを実現しています。
4~5mの奥行きの広い場アルコニーにはスロップシンクを採用しているため、ガーデニングやテラスでの食事などに便利です。
雨の日はペットの遊び場としても活躍、夏はお子さんのプール遊びなども楽しむことができます。
付加価値あるパラディー=頭の良い子が育つ??
こちらは「頭のよくなるマンション」として話題になったイトーピアエフィールさいたま新都心の間取りです。パラディというのはファミリーバルコニーのことで、イトーピアエフィールのユニークなコンセプトのひとつでした。
「頭が良くなる」の根拠は、慶應大学のベンチャー、SFC研究所の研究発表です。有名私立中学に合格した子供の家庭を6年間調査した結果、住まいについての様々な統計結果が得られ、そこから「環境デザイン理論」が生まれたのだとか。
端的に言うと、個室にこもるのではなく、家族と適度な距離間でつながりながら学ぶ習慣が、子供の情操教育に良いという事。その研究結果に伊藤忠都市開発が着目してコンセプトを打ち立てたマンションが、イトーピアエフィールさいたま新都心です。
親がバルコニーで黙々と好きなことに集中する姿を通して、またはリビングで勉強しながら時折親子のコミュニケーションを図って、子供の新たな興味や関心を創出することが出来るなどの狙いがあります。
パラディとリビングはノンレールサッシ・ウッドデッキでつながり、床から天井まで全開放が可能です。
すなわち、物理的にも行き来が楽で、心理的にも隔たりがなく、リビングとの一体感を満喫できるという特徴があります。
中古マンション+リノベーションでの導入事例
さて、中古を買ってリノベーションする場合、物件選びが鍵を握ります。
本格的なアウトドアリビングを求めるなら、もともとベランダやバルコニーが広い物件を購入するのが大前提になります。
SUUMOやHOME’Sなどポータルサイトの詳細な条件検索を利用すると、バルコニーの広い物件も簡単に探せます。
そして、意外と築年数の古いマンションには広いルーフバルコニーの物件が多く出回っていることに気づくでしょう。
タイミングよく好物件に出会えるとは限りませんが「物件との出会いありき」で、じっくりとマイホーム計画をスタートするのもいいですね。
たとえバルコニーが狭い物件でも、設計上の工夫で外部を内部に大きく取り込むことは可能です。その核となるのが外部の景色の切り取り方。
マンションの場合は区分所有と共有スペースの境界を取り払うことはできませんが、景色が見える位置に上手にくつろぎの空間を作ることで、空の青さややバルコニーのガーデニングの緑など、外部ならではの景色を楽しむこともできます。
リーズナブルな物件選びなら半地下+テラスの選択もアリ
高台、傾斜地に建つマンションや、第一種低層住居専用地域の戸建て住宅街に隣接する低層マンションにありがちなのが、地下または半地下プラン。
そういった物件は売りにくくなるので、まず安い価格帯に設定され、かつ、付加価値として、リビングと同じかリビングよりも広いタイル張りの広いテラスを併設していることが多いようです。
半地下+バルコニー物件(ライオンズ武蔵野)
テラスは道路や隣地から見ると1~2メートルくらい低くなっていますが、リビングとは同じレベルなのでで、まさにリビングの延長のように視覚的に広く感じさせます。
隣地との境界には高い壁を立てて、テラスの壁も床も白一色なので、光を反射して居室の中も十分な明るさが感じられます。
テラスではなくドライエリアと表記されるケースもありますね。こういった物件は、デザイナーズ賃貸マンションやコーポラティブ住宅などにも採用されることが多いですね。
マンションは利便性が重要視されるので、便利な土地=高い土地に建築する場合、なるべくたくさんの住戸を設けて収益を確保しようとします。
間取りプランにはデザイン上の工夫が必要となり、1Fや半地下、地下の住戸のデメリットを解消するために、上記のようなドライエリアや、リビングより広い面積のテラスなどの付加価値を与えて売りやすくすることになります。
バルコニーでグランピングのススメ
さて、「Glamping(グランピング)」という言葉をご存知でしょうか。グラマラス(魅惑的な)とキャンピングの造語です。外にもベランダ+キャンピングで「ベランピング」という造語もあり、いずれもディベロッパーや建築設計事務所が考案したものです。
上の写真のように、リゾートホテルのバルコニーのような優雅なアウトドアライフが、自宅マンションで叶ったら嬉しいですよね。
朝はバルコニーでモーニング、昼は子供とプール遊び、カフェタイムはママ友とまったり。子供が寝た後はご主人とバータイム。
休日に非日常をたっぷり満喫してリフレッシュできたら、翌日からの仕事も頑張れますね!
別荘は限られた富裕層だけに許された贅沢ですが、広いバルコニー付きのマイホームなら、家に居ながらにしてリゾート気分も味わうことができるのでは?
住まい選びの一つの選択肢として考えたいですね。
「アウトドアリビング」のデメリットとは?
いかがでしょうか。いろいろな「アウトドアリビング」をご紹介してみました。とても魅力的な住まい方ですよね。
メリットが盛りだくさんの「アウトドアリビング」に特に大きなデメリットはありませんが、あえて挙げれば2つのデメリットが考えられます。
一つ目は、バルコニーの奥行が深いために、どうしてもダイニングやキッチン部分は暗くなってしまうということ。
これは照明計画を工夫したり、バルコニーの床に白っぽい素材を敷き詰める工夫をしたりするなどの対策が可能です。
バルコニーの床材に白を用いることは、リビングの体感的な明るさに思いのほか影響があります。
白いタイルや白木調のパネル、和風にするなら白の玉砂利なども良いでしょう。それだけでリビングから眺める景色はとても明るくなり、実際に反射による明りを室内にもたらします。
二つ目は、バーベキューやガーデニングの道具を持って頻繁に行き来する事が増えるため、リビングの床のフローリングが汚れがちなこと。
バルコニーやベランダ、庭と、室内を多く行き来することになることで、外部からの汚れや泥などが室内に入り込みやすくなるのは事実。
結果、室内の大切な床がとても汚れやすくなってしまいますね。マメに掃除をしたり、何か対策を打たないと、あっという間に劣化してしまします。
さて、どうしたものでしょうか?
アウトドアリビングの強い味方「フロアコーティング」
せっかくの第二のリビングルーム=アウトドアリビングですから、家族のだんらんや食事、遊び場に、趣味にと、汚れや傷を気にせずに思い切り使い倒したいですよね。
隣接するリビングルームの床を、長く美しく気持ちよく保ち、手入れを簡単にするために最適な対策があります。
それがフロアコーティングです。
特に、リビングと段差のないフラット&ワイドバルコニーの物件を購入した方は、入居前にフロアコーティングを施工しましょう。
特に無機質ガラスコーティングのEPCOATなら、劣化しないガラス素材で、強度はUVコーティングの10倍!(外部機関による客観的な実験結果による)
耐水性の塗膜により水拭きだけでなく、洗剤拭きしても大丈夫です。
バルコニーとリビングを頻繁に行き来しすることによる、床の汚れを防ぎ、お手入れがグンと楽になります。
新築はもちろん、リノベーション、リフォームの場合にも入居前にフロアコーティングを施工して、心行くまで「アウトドアリビング」を満喫したいですね!